今年も日本人が2グループ受賞!2013年イグ・ノーベル賞に対する海外の反応

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”まず笑わせ、次に考えさせる”科学研究に対する賞として世界的に有名なイグ・ノーベル賞の発表がありました。
日本は過去6年連続で受賞していますが、今年も帝京大医学部外科准教授・新見正則氏による「心臓移植をしたマウスにオペラを聞かせると生存期間が延びた」研究で医学賞を、ハウス食品研究主幹の今井真介氏による「玉ねぎの催涙成分となる新たな酵素の発見」で化学賞を受賞しました。

心臓移植をしたマウスは免疫を抑制しないと平均7日しか生存できないのですが、オペラ『椿姫』を聞かせると平均で26日間生きたとの事。
モーツアルトなら20日間、エンヤなら11日間生きたとも。
ハウス食品の今井研究主幹はすでに知られている催涙効果のある酵素の他にもう一種類催涙効果のある酵素が存在することをつきとめ、その酵素の働きを止めることで切っても涙の出ない玉ねぎを作ることに成功したとの事。

他の賞については以下の通り

■平和賞
公共の場での拍手を違法としたベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領と、片手しかない男をその罪で逮捕した同国の警官に。

■安全工学賞
アメリカの研究家・故ジュスティーノ・ピッツォ氏にハイジャック犯を落とし穴に落とし、パラシュート付の箱に詰めて機外に放出し、警官に逮捕させるシステムを発明した事で。

■確率賞
イギリス・オランダ・カナダの合同研究チームに。
長時間寝そべった牛ほど次の瞬間立ち上がる確率が高い事、次に牛が寝そべるのは予想が難しいという研究成果に対して。

■物理学賞
イタリアの研究チームに。
人は水面を走ることができる。ただし人も水も月面にある場合に限り、という研究成果に対して。

■生物学賞および天文学賞
スウェーデン、オーストラリア、ドイツ、イギリスの合同研究チームに。
道に迷ったフンコロガシが天の川を道しるべにもと来た道に戻るのを発見したことに。

■心理学賞
オハイオ大学のボブ・ブッシュマンに。
酔った人は自分のことを魅力的な人間だと思うことを証明したのに対して。

■考古学賞
アメリカとカナダの研究チーム
飲み込んだトガリネズミの死骸が人間の消化器官でどう消化されたかを観察したことに。


引用元:theguardian.combbc.co.uk



糞を転がし歩く
宵の口
月光の影に
掻き立てられて

Rolling balls of dung
In the evening
Carried away
By a moonlight shadow

(訳注:マイク・オールドフィールドの『ムーンライト・シャドウ』のもじり)


”長時間寝そべった牛ほど次の瞬間立ち上がる確率が高い”
どんなうすのろにとっても血を見るほどに明らかだと思うんだが。


↑この賞のポイントをよく分かってないようだな。


>どんなうすのろにとっても血を見るほどに明らかだと思うんだが。
研究を積んだ科学者にとっては明らかじゃないんだよ。
ポアソン回帰に倣っている今回のように、多くの現象における事象の確率は任意の時間間隔において一定なんだ。


でも、観測の結果その牛が死んだ場合は二度と立ち上がることはないよね…
猫だけだっけ?


↑シュレディンガーの牛はもう解明されてたっけ?


いや、これは牛(cow)だけだ。
おっと失礼、スコットランドの場合はcoosと言うんだっけ。
つまり、この研究をした科学者達はほぼ間違いなく腹を立ててたか、二日酔いだったということだな。
だから牛が立とうとしない事と関連付けるためにセンサーを足につける代わりに見続けるような事をしたんだ。


でもさ、フンコロガシが天の川を頼りに道を行くのって詩的だと思わないか。
それに、重力の軽い場所でなら水の上を歩けるという発見も誰かを幸せにすると思うな。
こういう事を知れて自分はハッピーだよ。
あと、自分が知っているのは牛が座ったらまもなく雨が降る、という事だね。
そうなったのは見たことないけど。


↑民間伝承だね。
牛が座ったら(lyingは死んだ牛についてのみ使われると思う)、それは雨のサイン。
草が濡れないように座って雨を防ぐんだとか。
もし立ち上がったら、次に天気が変わるまでは座らないってことなのかな。


フンコロガシの発見は素敵だね。
我々はみなゴミための中にいる。しかし、そのうち何人かは星を見上げている。
We are all in the gutter, but some of us are looking at the stars.

(訳注:オスカー・ワイルドの戯曲『ウィンダミア卿夫人の扇』に出てくる一節)


プッチーニでも同じ効果が得られるのかな?
それとも違う結果になる?
ラップを聞かせたグループがいないのが残念だ。


”長時間寝そべった牛ほど次の瞬間立ち上がる確率が高い”
言葉も出ないわ。


ネズミの害に困っているんだが、エンヤなら私を癒してくれるだろう…


↑まずネズミに心臓移植だな。
それから超音波ノイズも有効と言われている。
ネズミは超音波を聞いたり歌うことができて、超音波ノイズ(ネズミの巣穴の空調穴から届く)はネズミの繁殖を阻害すると言われてるからね。

それと、最近ネズミの雄はカナリアのように他の雄に向かって鳴くことがあると再発見されてたな。


もし心臓移植したネズミを飼っている人がいるなら、(紙面によると)これが聞かせたオペラの詳細だ。
コヴェント・ガーデン・ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団&合唱団
指揮者・ゲオルク・ショルティ
448 119-2, デッカ, ロンドン, UK, 1995
うちのモルモットはショスタコーヴィチの音楽の大ファンでね。
(彼女の手術のために歌劇「鼻」の円盤を買ってやるべきかな?)


↑しかしながら、人間の生存率に対する効果はまだ未知数だから、モルモットのようにオペラを聞くためには劇場内で常にノイズシールドヘッドフォンを着用してないと駄目かもな。


光害のせいで天の川が見えないんじゃないかと心配だな。
我々はフンコロガシを手助けしないと。
フンコロガシは道に迷ってあてどもなく糞を転がし回ってるはずだよ。
みんな、我々の反光害キャンペーンに加わってくれ。


ベラルーシがどれだけ馬鹿げた政策を考えつくか見ようじゃないか。
大統領は自分の価値を証明するためにますます狂気に走ると思うぞ。


ベラルーシの警察が片腕の男を拍手をした罪で逮捕しただって?
その場にいたかったな。
古代の禅問答の答えを知ることができたはずなのに。
wikipedia:隻手の声


こういう科学者好きだわ。
牛の研究は特筆ものだな。
好きなのはフンコロガシの研究だ。
研究助成金目当てのものもあるだろうけど、その恩恵を受けられるかどうかは甚だ疑問だな…


アルコール消費量と自分の魅力を認識する事の相関関係についての研究は間違いなく画期的だ。
我々がリンジー・ローハンと呼ぶ現象について知っておく必要のある全てを説明しているよ。


↑むしろその先の研究を知りたいね。
どの時点で被験者は次のフェイズである、他人が魅力的に見えたり、好ましく思ったり、最も危険である”その人しか見えなくなってしまう”状態になってしまうのかをね。


水面を歩くことに関して自分はなにか誤解をしてるのかな?
月面でも人が水面を歩くのは無理なように感じるんだが。
水の密度が同じであるなら、地球上と同じように沈んでいくと思うんだけど。
足裏サイズの表面張力じゃ体重を支えきれないだろうから、ジーザスリザード(バジリスク)のように歩くという事かな。


↑水の表面張力は重力に影響されると思う。
重力が低くなれば表面張力は増すと思うよ。
国際宇宙ステーションで同じような実験をしてたのを見れたはず。
(youtubeにある)


11日間エンヤを聞き続けるなら、むしろ死を選ぶわ。


今年の平和賞はいいな。
隻手の声か!


今夜はハンサムになるために飲むとするかな!!!


物事が難しくなってきたら道半ばでやめてしまう事ってあるし、化学賞はその価値ありだな。


少なくとも、ベラルーシの警察は禅問答の隻手の声の答えに行き当たったという事か。


安全工学賞に笑った。


素晴らしい!
人間の創造性に称賛あれ!


イグ・ノーベル賞は科学的研究における調査の精度でノーベル平和賞を受賞するべき。






玉ねぎの研究は普通に凄い気が。
最近涙流しまくりながら玉ねぎを刻んだ経験があるだけに。
フンコロガシにそんな壮大な生理学的反応があったなんて。

追記:最初のコメントの対訳を修正。ご指摘感謝です。




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帝京大学は無駄遣いしてるとしか思えないが、
凡人の計れぬ高みの話なのかもしれんな。

椿姫の何が延命に繋がったのかまで研究出来たら完璧だけど、そうなるとイグノーベル賞は取れないかw

ルカシェンコェ…

・「ベラルーシには美人がたくさんいる。しかし私が毎日通る道の交差点にクチャクチャな顔をしたフランス人の顔が写っている。とんでもないことだ」と発言し、広告の撤去を命令、さらにベラルーシ国内の広告に国外女性モデルの使用を禁じた。

・「プレジデントは自分一人で十分」との理由で、大統領職以外の会社社長などに「プレジデント」を別名として使用することを禁じた。

・野党が議席を確保できなかった2008年の下院選について、「これでも非民主的と言うのなら、彼ら(EU)との対話を絶つ」と強硬な主張をした。

・色の革命について、「ベラルーシではピンクだの、オレンジだの、バナナだのといった革命はありえない」と発言している。

国に戦略もなく選択と集中もしないから才能が分散する。
国に余裕がある時は良いが。
まあ遠い将来役に立つかもしれないと期待しよう。

片手で拍手して逮捕ってのがよくわからない
でっちあげで不当逮捕したってこと?

玉ねぎは地味にすごいな

>ハイジャック犯を落とし穴に落とし、パラシュート付の箱に詰めて機外に放出

ワロタw

禅問答って海外でも知ってる人いるのが驚きだったり…(高野山とかに結構真面目に修業来る人いるのは知ってたけど)
この賞って昔、顔認識機能表彰して無かったっけ?(笑顔だったかな?)
まあ、その技術は米国ではミサイルに搭載されてるんだろうけどねw
玉ねぎは戦時中主婦の動員でマッチ棒の頭の部分口の中に咥えて(なめちゃダメ!)切ると涙でないみたいのがあったららしいんだけどホントかなぁ~(やった事あるけど効果は分からんかった…)

帝京大の研究は今後小動物、豚で実験して、うまくいけば人間にも応用できるかも。
歌や音楽を聞くことで免疫抑制剤の投与を減らせれば、患者の精神的、身体的負担はもちろん医療費(これは患者魔家族だけでなく国の予算の削減にもつながる)も減らすことが出来るかも知れない。
ハウスの催涙酵素発見もそうだけど、実用化によって社会や生活がより良くなる見込みもある、結構まともな研究だと思った。
バウリンガルとか突き抜けた研究はなかなか出ないもんだねぇ。

フンコロガシが天の川を頼りに道を行くのって詩的だ。文学賞の方が良いような気がする。
こんど使ってみよう。

他の受賞見て思ったんだけど・・・
この賞って日本が無くなったら唯のジョークだよね?

最初のコメントはマイク・オールドフィールドのムーンライト・シャドウっていう曲の歌詞やね

音楽等の外的刺激により免疫能力が変化する可能性があるって事だろ?
意外とすごいんじゃないか?
タマネギも応用は効きそうだし

>重力の軽い場所でなら水の上を歩けるという

これはSF映画でのトリックに使えるな

玉ねぎは目に染みることくらい知ってるわ!と思っていたが、この研究を応用して栄養はそのままに涙を誘発する酵素だけを失くした玉ねぎをもう開発したって聞いてスゲーと思った

>>11
研究してる本人達は大真面目だけどね・・・たぶんw

どんな研究でも「結果」を出すことに大いに価値があるよね、それに笑いが伴っても拍手送りたいわ。
イグ平和賞は別だけど。

以下チョン禁止

※8
催涙成分は、鼻から吸うことと目に入ることで発生するから
口呼吸なら大部分を抑えられる
だからそういう話ができたんでしょう

考古学賞は、どういうことかな?言葉通りだとするとあまり想像したくないところだが。

ベラルーシの独裁がヤバすぎて笑えない

統計でいいから音楽嗜好による寿命の調査をして欲しいわw
これで明らかに差異が出たらノーベル賞ものでしょ

毎回すごいだけに今回は地味な気がするww

>>12
おお〜っ、こんな所でマイク・オールドフィールドの名前が見れるとは!

もしかしてプログレ好き?
本文とは関係ないけどちょっと嬉しかったです。

寿命伸ばすのは人外でも実証できていけばノーベル賞とれそうだよな

基礎研究とか、素人にはちんぷんかんぷんだったりするけどな。

世界の空白を、それがどんなに小さくても、しらみつぶしに埋めていくのが科学者の仕事やで。

椿姫すごすぎんだろwwww

「平均」で「3倍以上寿命が延びる」ってwww



……でも未来には、音楽が治療の主役になってる世界がないとも言い切れないな。
ミュージシャンから医者に転向したり、医者の作ったCDが売られたり、
音楽に満ち溢れた病院なんて、想像するだにステキじゃないか。


笑うと免疫力UPと言われてるけど
オペラが一番免疫を抑制するって事だなww

ちょっと真っ当な研究で笑うに若干賛同できかねるところなのだが。

病院の待合室でクラシック音楽がかかってるのはそういうことだったのか!

バットマンでジャックニコルソンのジョーカーが片手で拍手(ビンタ)やってたな

ベラルーシ行きたくねぇwwwなんぞw

フンコロガシまじか すげえな
ていうかどうやって調べたんだろw

ベラルーシは流石の独裁国家

平和賞だけ笑えないってか他のと毛色が違うけどイグノーベル平和賞っていつもこんなのなのか?

ちょっと確率賞が本気でポカ─ンなんですけど

> 平和賞
いくつか痛烈な皮肉がまざりますね。平和賞に限らず。

皮肉のほうが好きな人はダーウィン賞なんかもおすすめ。

帝京大学の研究はストレスが関係してるのかな?
音楽聴かせることでストレスを緩和できたとか?
ストレスが肉体に与える影響を実感した身としては、その可能性を無視できないな

研究そのものよりコメントのレベルが高い
哲学者多いなw

>■安全工学賞
あえて、パラシュート付きの箱を用意したことが受賞理由だろうね
実用化される時は必要がないものだしw

パラシュートは全乗客分用意すれば、ごくたまに大量の人命を救う役に立つだろう。

まじで聴いてる音楽で寿命が違うとなれば
すごいと同時に怖いな。

よし、お腹の子供にオペラを聴かせてみるわ。

玉ねぎの研究成果は、涙が出にくくなってるドライアイの治療に活かすとか何とか

音楽と寿命の関連性は興味深いし、何かしらの医学的期待をしちゃうけど、「この音楽は身体によくない。」みたいな事が言われてしまう未来がやってくるのはイヤだなー。

寿命うんぬん言っている奴はもう一度よく読め
読解力なさすぎなやつ多すぎ

粘菌の人には大化けしてもらいたいわ

オペラ聞くと寿命が延びるんじゃなくて免疫を抑制して拒絶反応が出にくくなるって話だろ?
花粉症とかアレルギーに応用できるようになればいいね

帝京大の研究は笑えるけど意義も大きいよねえ
情動が免疫系に及ぼす影響を統計的に立証したってことだろ?
昔から同様のことは言われてたけど、確証的なデータは有用だと思うがなあ

そこから、じゃあなんでそうなるのかっていう研究までやって初めて意味があるが…

管理人さん
AAでブギーポップの新作を知ったのはありがたい

ブラックユーモアとしては、ノーベル平和賞の方が上なんだよな。

「劇場内で常にノイズシールドヘッドフォンを着用」の原文は"protective noise-shielding head-phones should be worn at all times in the opera-rat-ing theatre."なので、"the opera-rat-ing theatre"はオペラとオペレーション・シアター(手術室)をかけた言葉。
だからここの訳は「劇場内で」ではなく「手術室で」だよ。

イグノーベル賞は、(笑えたり奇妙だったりする側面もあるけど)普通にすごい研究成果を讃えるための授賞と、どう考えても皮肉としてか笑いものとするための授賞がまったく同列に行われるから、どうも見ている側としてはもやもやと落ち着かない部分があるんだけど、授賞する研究者の皆さんはそのあたりどんな気持ちなんだろ。

>>41
この実験結果に基づけば、免疫力が逆に低下しちゃうんだけど。

安全工学賞はリアルボッシュート装置かw

>>51
そらー人によるんじゃない?
今年の日本人受賞者は、2人とも真面目な研究者だけど授賞式に出席してるし

コンタクトレンズして玉ねぎきると涙出んでぇ~

帝京大のは考え方を変えれば、何かしら刺激があれば長生きするって事が証明された訳だしね
で、その刺激で作用されたのが何なのかが分かればノーベル賞クラス
確かに研究途中だけ見れば馬鹿馬鹿しい内容だね

>>51
そうそう、54も書いてるけど、出席を拒否する研究者も結構いるし、選考の方だって、はじめから出席しない/できないことを承知の上で授賞したりすることもあるからね。

訳注がちょっとゴミゴミしすぎて野暮ったいな、調べて書いてくれてるんだろうけど知ってるやつから見たらいちいちつけるのは野暮だし、知らん奴に取ってはどうでもいいんじゃないのか?

管理人のセンスに脱帽。
マイク・オールドフィールドの「ムーンライト・シャドウ」に、
ワイルドの「ウィンダミア卿夫人の扇」。

それとも、翻訳元に注釈ついてるのかな。
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