北海道を自転車ツーリングをしたアメリカ人女性による「北海道をバイクツーリングするコツ」その1

とあるアメリカ人女性が9月の北海道を自転車で巡り、その際のコツを紹介していました。
※長いので2回に分けてお送りします。
引用元:Bike-Touring-in-Japan-on-a-shoestring

私は航空運賃含め1000ドル以下で日本の北にある島、北海道を4週間かけてツーリングしてきた。
美味しい食べ物を食べ、素晴らしい人達に会い、素晴らしい景色に加え温泉にも没頭してきた。
貴方にも出来るよう、その時のコツをまとめようと思う。
1.旅の計画を立てよう
・何処に行くか、何時行くかを決めよう
雨がよく降るという事実にもかかわらず、9月の北海道に行くというのは良い選択だった。
キャンプ場は豊富にあって安く、道々にたくさんの温泉があって、山道も良かった。
8月は混雑してただろうし、10月になるとちょっと寒かっただろう。
私は自分の住んでいたアパートを賃貸に出した事で得た1000ドルで飛行機のチケットを買った。
結局カリフォルニア州のサンフランシスコから北海道の旭川まで飛行機代は1230ドルだった。
旭川は良い所だった。
飛行機は遅れたが、自転車を組み立てる時間はあり、そこから14km自転車に乗って無料のキャンプ場に向かい、そこで食料や燃料を買った。
・自転車の運搬について
ANAは無料で自転車を運んでくれ、乗り継ぎ便でもそのポリシーを継続してくれる。
例え東京で一夜を過ごし空港を変えることになっても、だ。
機内食は美味しく、重量オーバーの荷物も認めてくれた。しかも2回、追加料金なし。
良い航空会社だよね。
・自転車のパッキング
フライトに向けて自転車を日本製の自転車バッグに詰めたのだが、その時に圧縮袋を使ってテント、キャンプ道具など全てをまとめて詰め込んだんだけど、これが上手くいった。
自転車が入ったままでも私一人で持ち運べ、これによってもし途中で力尽きてもバスや電車で移動できるようになったのだ。
自転車用のキャリーケースを使うことも出来るけど、帰りには輪行袋を買う事を考えてみてはどうだろう?
これなら、空港から自宅に自転車で帰る時に輪行袋を別のバッグに入れることも出来るから。
・出発点(と到着点)に飛ぶ
ジャパンレールパス(海外旅行者向けにJRが発行している鉄道用旅券。持っていればほぼ全てのJR鉄道、JRバスに追加料金無しで乗れる)は確かに素晴らしい。
しかし、フルサイズ自転車をパッキングして電車に持ち込むのは凄く大変だ。
ジャパンレールパスは別の旅行か、折りたたみ自転車を使った時用に取っておいた方が良いだろうね。
・日本語を習っておこう
あるいは日本で地元の料理屋に入ったときは辞書を片手に会話をするか。
サンフランシスコでちょっと日本語を習う場所を探すのは簡単だけど、普通の日常会話を教えてくれる所を強くお勧めする。
日本の人たちは、貴方が日本語を勉強する事に興味があると判れば話をしようとしてくるから。
・マップルを手に入れよう
『ロンリープラネット』(西洋圏で一番有名な旅行ガイドブック)は確かに良い。
しかし貴方がしたいのは日本式の旅行であり、日本の人達に出会う事では?
それならロンリープラネットは必要なページだけを切り取り家に残していこう。
『マップル』は素晴らしいツールだ。
最初はちょっと不可解だろうけど。
その1000円の地図にはキャンプ場、温泉、ATM、コンビニの位置が載っていて、ピンチの時に役立つのだ。
日本で出会う人たちはその地図の見方を手助けしてくれ、そこに載っているシンボルの意味を教えてくれるだろ。
マップルを買えばそういうチャンスが生まれるのだ。
大きな百貨店にある書店(スーパーマーケットも)に行けば0円マップルという雑誌も置いてある。

2.旅してまわろう
・北海道到着
私は37ドルかけて羽田に行って、125ドル払って国内線で旭川まで飛び、空港で一夜を過ごした。
キャンプ場に行きたかったんだけど、それはどうも難しいみたいだったから。
それから東京シティエアターミナルのバスに私の荷物を乗せるために37ドルを払ったと思う。
もし折りたたみ自転車を持ってるんならそれは素晴らしい事だと思う。
東京で普通の電車に乗ることも出来るし。
何人かの人たちは11時に閉まった羽田のベンチで夜を過ごすために警官と交渉してた。
私は新鮮な気持ちでスタートしたかったからそうはしなかったけど、次回はフェリーを使うだろうな。
成田からフェリー港までは110km離れてると聞いた。
結構厳しいだろうけど、飛行機代の節約になるし、乗り換え便が次の日の場合はホテル代の節約にもなる。
それに苫小牧までの19時間のフェリーには温泉もついているのだ。
時差ぼけを直すには持ってこいの方法といえるね。
・旅にあたって
日本では車は左側通行をしている。
多くの山道は狭かったり、路肩が無かったりするが、路面が凄く滑らかだ。
もし気になりすぎるようだったら、交通量の多い道路の場合歩道を走る事も出来る。
私は反射テープをウェアやヘルメット、自転車に貼りまくったよ。
・ドライバーとコミュニケーションを取ろう
自転車乗りはアメリカ中東部のようにたくさんいる、がそれで自分こそが道路の法律だと誤解してはいけない。
単にその中の1人というだけだ。
スローダウンのシグナルはアメリカと同じで、腕を上げた後下ろす。
これは狭い山道で自分の命を護るのに高い効果を発揮する。
あっち行け/こっちに来てのシグナルは違う。
手の振り方が逆なのだ。
腕を差し出して手首の下に手を持っていく。
手のひらが対象と違う方向を向いている事を切り替えよう。
もし、路上で誰かが貴方にその仕草をしたときは、ついて来いという事なのだ。
・バイクについて
バイクで旅している人たちは貴方の事を気に入ってくれるはず。
彼らは手を振り、すれ違い際にサムアップしてくれる。
彼らは路上で(彼らの許す限り)止まってくれ、もし”Ashita,Tenki wa doo desu ka?”と尋ねれば喜んで情報を提供してくれるだろう。
・天気について
日本の天気予報は不当な楽観主義の別表現とも言える。
雨に備えよう。
少なくとも旅行のうち28日中21日は雨だった。
もっともそのほとんどが夜だったけど。
おそらく7回ほど夜中にタープを飛ばされたよ。
雨が降るなんて全然知らなかったのだ。
2日ほどは1日中雨の中を旅し、雨の中で眠った。
多分6日ほどは雨が止むのを待っていたと思う。
もし貴方が9月の山を訪れるつもりなら、速めに出た方が良いね。
平地での雨は山では雪になっているかもしれない。
私が出会った友人は旅の計画を私のしたように9/1~9/28ではなく、9/15~10/15で計画していた。
全く違う旅になったはずだ。
彼は凍えただろうな。
多分南に飛んだんじゃないかな。

・山について
努力する価値はある。
主要な道路はほとんどが勾配8%以下だが、マイナーな道路では14%という所もあった。
どちらにせよ自転車にはかなりの道だ。
旭川から層雲峡温泉までの道はかなり緩やかで登っている事に気付かないくらいだ。
頂上にキャンプ場と温泉があるなら14%の勾配を登る価値だってあるかも。
・サイクリングロード
旭川や他の地域では川に沿ってサイクリングロードが設けられており、高速道路の良い代替手段になっている。
道沿いに町はほとんどないから水は多めに用意していこう。
旭川から層雲峡までの道もその1つだ。
私はその道を通り、そこで竹製の釣竿を手にした釣り人達に出会ったよ。
・水と食料について
北海道の流水は致命的な病気を引き起こすエキノコックスを媒介する危険性があるので飲む事は出来ず、山に入ればコンビニや自動販売機も多くはない。
日当たりの良い峠を行く時は追加で水のボトルを持って行った方が良いことに気付いたよ。

3.パッキングについて。知られていない必要な物
(日本で野宿旅行をしている)ティム・アンダーソンならもっと荷物は少ないかもしれない。
彼のエクセレントな日本での野宿旅行を見る限り、多分もっと色々と知っているだろう
私は彼のタープを真似し、それは凄く役に立った。
これが持っていって良かった物一覧
・リュックに入るくらいコンパクトなテントとタープ。ポールは分割式。
・エアマットに合わせて自作したキャンプチェア。雨の夜に快適だった
・オルトリーブ社のハンドルバーバッグは防水が上手くいってないにも関わらず、買った価値があった
・3枚の薄いウール地セーターとウールソックス、雨具は凍える山道での雨に充分な効果があった
・サーモス。魂まで凍えた時の友人
・1冊の良い英語の本。例え再読する事になっても。2冊あれば尚良し
・適当なお風呂道具、タオル、垢すり
・スペアのタイヤ、チューブ、スポーク。小さな町ではなかなか見つからないから
・バックパックに貼り付ける反射シートかそれに類する物。ハイキング時には取り外せるのを
・皮製のブーツとビーチサンダル。自転車用の靴を持って無くてもこれなら快適
・ギフト。私は桃のジャーキーとカリフォルニア産の松茸を日本に持っていった。心ばかりのお土産
・ヘルメット
・ゴム紐。追加の水や食料を留めるために
・凄くコンパクトなアルコールストーブ
途中で捨てた、あるいは結局持っていかなかったもの
・フリースのパンツ、追加のウールベスト、お洒落な服
・スプーンとフォーク
・追加のジャケット
・MP3プレーヤー/レコーダー
次回は持っていくもの
・飯盒とガソリンストーブ
・コンパクトな自転車用クランブ
・コンパクトなサングラス
4.北海道のキャンプ場について
・熊
北海道には熊がいる。
北海道の熊は良い話を聞かない。
私は1日の終わりには疲れきっているから、食料を調達する事も、シャベルを使うことも、水をろ過する事もしたくないし、ベルもつけたくない。
それに熊なんて論外。
北海道には温泉に近い安価なキャンプ場、飲み水、トイレ、嵐の際の避難場、それに素晴らしい人たちがいる。
私は野宿はしなかったよ。
・キャンプ場について
本州はキャンプ場も少ないし値段も高いから野宿も意味があるのかもしれない。
北海道のキャンプ場はシステムを尊重し慎重で楽しい物だと思う。
私がキャンプ場で夜を過ごしたのは26日間で、トータルで使ったのは50ドルくらい、ほとんどが無料で幾つかは6.25ドル位だった。
25ドル要求する所もあったけどそこはパスした。
後になって理解したけど18.25ドルはセキュリティ代だったらしい。
大抵のキャンプ場には屋根付きの流しがあって水も飲め、グリルがついてたりバスルームが設置されてる所もある。
障害者用の個室トイレをバスルームに改造した感じ。
凄く幸運だったらお湯のシャワーも見つけられるかも。あるいは近くに温泉とか。
という事で続きは次回。
9月の北海道といえば若干肌寒くなる頃、山の方は充分寒い時期です。
![]() ツーリングマップル北海道2012 | ![]() DOPPELGANGER(ドッペルギャンガー) 402 sanctum 700C アルミフレーム クロスバイク シマノ21段変速 LEDライト/ワイヤーロック標準装備 | ![]() ユーラシア大陸横断自転車2万キロの旅 | ![]() 茄子 アンダルシアの夏 [Blu-ray] |