近代人力ヘリのアーキタイプ、日本大学が開発した人力ヘリYURI-Iを見た海外の反応

アメリカヘリコプター協会が設けたイゴール・シコルスキー賞は10m角の中で機体の下部が高さ3m以上を1分間維持するというのが条件で、25万ドルの賞金がかけられています。
先日、トロント大学の学内ベンチャー企業エアロヴェロが作ったアトラスが賞の設立後33年経って初めて獲得しました。
このアトラスに使われているX型のフレームに4つのローターを取り付けるという構造は日本大学の元講師・内藤晃氏がYURI-Iに取り入れたもので、以降の人力ヘリのデザインはこの形状を踏襲していく事になります。
YURI-Iのフライトを見た海外の反応です。
Human Powered Helicopter YURI-I 1994
↓この動画につけられたコメント
●アメリカ
地面効果で浮くのは人力ヘリを作ったって事にはならないだろ。
信じられない位独創的ではあるけどさ。
●アメリカ
↑スタートだけだって。
●アメリカ
これは素晴らしい!
ビデオをシェアしてくれてありがとう!
この作品がこんなに簡単に宙に浮いたことに凄く感心したよ!
言葉では言い表せない位だ!
●アメリカ
ありがとう、内藤教授。
我々は貴方の夢の実現からたくさんの事を学びました!
イゴール・シコルスキーもきっとあらゆる瞬間を楽しんだんじゃないでしょうか。
今、我々はレオナルドダヴィンチバージョンを作ってる所なんです。
●アメリカ
ローターブレードはどうやって作ってるんだろうか?
●アメリカ
これは地面効果機なんじゃないかな?
●フィンランド
↑自分も同じことを考えてた。
これはむしろ地面効果でホバリングしてるように見えるね。
ローターを上部じゃなくて下部に配置するそれ以外の理由は無いだろうし。
ヘリコプターの場合はローターは常に上部にあって、重量をそこから吊り上げて安定させてるわけで。
ローターを下部に配置するのは風を放出する事で落ちないようにしてるって感じだね。
でも、パイロットが手でも回しているのは追加の動力を作ろうとしてるのかな?
かなり大変そうだ。
●アメリカ
↑YURIは地面効果を利用しているからその意見は正しいね。
でも、地面効果の係数はローターと地面の距離に関係してくるから、彼らはローターを下部に取り付けたんだ。
機体の安定性が少なくなると言う君の意見には同意するが、動力不足である以上そこは気にする必要ないと思うな。
君のコメントの最後にあった形状については自分もそう思ってる。
自分の調べたところによると、手によるぺダリングは100ワット以上の動力を追加できるらしい。
●ニュージーランド
日本人を称賛するよ。
美しい機体だ。
●アメリカ
yuriって女の子を好きな女の子の事だよな。
食べ物でもあるけど。
●アメリカ
↑ロシアの宇宙飛行士(ユーリ・ガガーリン)の事じゃないのか。
でもそれじゃかなり皮肉だな。
●アメリカ
トラス構造をカーボンファイバーで作るのが次のステップだろうな。
もっと軽い素材で同じ構造を作る事もできるけど、頑丈にする部分はカーボンファイバーでトラス構造にしないと。
他に議論してる方法は炭素繊維でバルサ材をラップする、アセトンを使った発泡剤で中空のパイプを作った後で炭素繊維でラップするとか。
こういう驚異的な設計改善に興味があるから、誰か考えを持ってる人はアイディアをシェアしてほしいな。
●アメリカ
↑驚異的な設計?
これは本当の飛行じゃないだろ。
確かに宙に浮いてるけど、これはまだ地面効果だ。
それにかなり不安定で姿勢を制御できてない。
もう1つの問題は1つの動力で4つのローターをコントロールしてる事で、どこか1つのロータが乱気流や熱にさらされた場合、修正する方法が無いから落ちるしかないだろうって事だ。
このデザインで時間を無駄にするくらいなら、もっといい方法を使った方が良いね。
●アメリカ
↑君はシコルスキー賞の関係者か?
この賞は市販できるヘリを開発する事じゃなくて、3メートルまで垂直飛行する期待を作るのが目的なんだ。
動力は大体600ワット強。
確かにこれは実用的ではないけど、数十ある設計の中で宙に浮く事が出来たたった2例のうちの1つなんだよ。
●アメリカ
↑この賞の関係者ではないけど、目的は理解している。
人力ヘリがほとんどの人が丘を登るのに使ってる自転車とマーケット的に競合する可能性は低いしね。
追加するなら、色んな人が人力で空を飛ぶことを夢見てそれぞれの方法で設計を行っている。
YURIのデザインが地面に対して水平からわずかにずれているから垂直じゃなくて水平に移動してるんじゃ。
●アメリカ
YURI-Iのコントロールシステムにそそられるものはないな。
自分は自分のデザインで作りたいし、YURIを出発点にすることは無いだろう。
幾つかの興味深いアイディアが多くの問題に関係してもいるし。
自分はカモフ式のローターに惹かれているんだ。(ローターを上下2段に配置した形状)
パイロットはローターの下に吊り下げられる形になるから、水平に浮く事が出来るだろう。
安定させるためにダイヘドラルタイプにするからちょっと柔軟性を持たせるかな。
●アメリカ
カモフ式のローターは確かに興味深いし、ローターの下部にパイロットを配置すれば安定性も増すだろう。
ただ、それは地面効果の時間を少なくするから、このデザインはシコルスキー賞を獲得するのに必要不可欠だと思うね。
翼部の設計の欠陥など、君の意見に同意できるものも一部ある。
(ブレードに)ステップアングルをつけるが鍵なんだが、こういうデバイスのローターは大抵こういう形状で飛んでいて、動力体重比が大きくなるんだよ。
●アメリカ
これが1994年に作られたという事が、4ローター2ブレード式を4ローター4ブレード式に改造しなかった理由になるのかも。
ローターの下にパイロットを吊り下げる場合、複数のローターを回すことでパイロットを回転方向と逆に回す回転トルクを相殺させる事が出来るカウンターローティング用の機材を効率的に追加できるからね。
●イギリス
ああ、最後の部分は心が痛んだよ。
なんという偉業だ。
凄く良かった。
●イギリス
みんなに質問。
(1)ジェットエンジンがある時代に何故人力の飛行機械を設計し、作らなくてはいけないんだ?
(2)何故自転車と同じやり方で空を飛んでるんだ?
●メキシコ
↑何故バイクに乗れる時代に自転車に乗りたがる?
脚の筋肉は強力だし、ぺダリング運動は異なる種類の搬送装置に動力を効率的に伝える方法としてよく使われているんだ。
●アメリカ
素晴らしいプレゼンテーションだ。
●ブラジル
ギヤ比を変えた方が良いんじゃないかな。
彼は出来る限りの速さで足を動かしてるように見えはするけど、まだ限界に達してないだろうし。
ペダル一回転でもっとブレードを動かすようなギヤ比にした方が理に叶ってるんじゃないかな。
言ってる事が完全に的外れだったら謝るよ。
自分の専門外なのは間違いないから。
●オランダ
youtubeで人力ヘリを見ているワナビー達へ。
これはクラッシュするまでかなり上手い事いっていた。
少なくともこの男は異なる機体で3回地面から浮く事が出来たんだ。
この発明家を称賛するよ。
●アメリカ
Mr.内藤、本当に素晴らしい出来です。
●アメリカ
これが最初の人力ヘリなのか?
もっとパワーが必要みたいだな。
●アメリカ
人力飛行への挑戦は、人力で飛行出来る位の軽量素材を使うためなんだ。
●イタリア
ワオ、アメリカの人力ヘリはこの男の作ったのそのままじゃないか。
NPRの人力飛行のビデオを見てみろ。
Human-Powered Helicopter: Straight Up Difficult
●ドイツ
これは本当に素晴らしいエンジニアリングだ!
●ブラジル
トライ&エラー。
これを繰り返していくのさ。
●バングラデシュ
ワオ、内藤さんがこの飛行から2年後、引退後の1991年に亡くなったって信じられるか。
自分もこの動画を見た後で思い出したんだが、忘れている人のために投稿しておくよ。
●ドイツ
ぺダリングがもっと完璧だったら。
もっと動きが大きくなってもっとパワーを作れたはず。
●アメリカ
日本人はクールだな。
●カナダ
この教授にメリー・ポピンズの空飛ぶ傘を発明してもらいたいな。
こちらが今年史上初めてシコルスキー賞を受賞したアトラス。
Atlas Human-Powered Helicopter - AHS Sikorsky Prize Flight
4つのローター、地面効果を出来るだけ得るためにブレードを下部に配置するなど基本的な構造はYURI-Iから変わっていません。
クアッドローターヘリは低出力でも安定した飛行が出来るという事で最近とみに作られるようになってきました。
しかし、1人力で人間を浮かそうと思うとこれ程の規模が必要になるとは。
ちなみにYURI-Iは現在はかかみがはら航空宇宙科学博物館に展示されているそうです。